肯定的感情トレーニング

お知らせ

トラウマ(心的外傷)に対する

オンライン・肯定的感情トレーニング

参加者募集

 

自分や他の誰かが危うく死ぬ、または重傷を負うといった過去のトラウマ(心的外傷)があり,その再体験や過覚醒が続き,思い出すような状況を避けるといったPTSDや複雑性PTSDの症状があって苦しい思いをされている方を対象に、慈悲の瞑想やマインドフルネス瞑想を通じて、肯定的な感情を育むトレーニングの臨床研究に参加いただける方を募集しております。
ワークショップの3つの柱
1.自分,他者,生きとし生けるものすべてのものの幸せを願う慈悲の瞑想の実践
2.思考や感情にとらわれないようにするためのマインドフルネス瞑想の実践
3.私たちの周りにある愛情(慈悲)に気づき,辛い過去の記憶による苦痛を低減し,安らかな気持ちでいられるようにする
 
慈悲とマインドフルネス瞑想とは?
 
みなさんは、過去の嫌な経験が繰り返し思い出されて、その辛さで苦しい思いをしたり,日常生活がうまくいかないことがありませんか?
例えば、自分自身が大きな事故や自然災害、暴力に遭遇した、または身近な人がそのような出来事に巻きこまれたことを見聞きしてショックを受けたことで、今現在の生活が安全な気持ちで過ごせなくなることがあります。
そのような過去のトラウマが繰り返し思い出されて苦しくなり,人と接することを避けてしまう, また外にでるのが億劫になってしまう・・・。そして, 自然に振る舞えない自分を責めてしまい, 余計にしんどくなる・・・。これは,とてもお辛いことだと思います。
実は瞑想がそのようなPTSD(心的外傷後ストレス障害)や複雑性PTSDの症状を軽減する可能性があることはご存知でしたか?
関西学院大学 臨床感情科学研究室では,瞑想法がPTSDの症状を和らげることを研究課題とし,「肯定的感情トレーニング」を実施しています。
この12週間のトレーニングでは,仏教伝来の慈悲とマインドフルネス瞑想によって,自分に思いやりの気持ちを向け,人を恐れるのではなく思いやりの気持ちを向ける練習をして,自分のつらい気持ちを癒し,肯定的感情を感じられる日常生活を送ることを目指します。
慈悲の瞑想は,自分や他者が幸せであるように,悩み苦しみがなくなるように,といったことを願う,「慈しみ」の心を育てるものです。
これ以上自分を傷つけることはないのです。
アメリカの研究では,この慈悲の瞑想を実践することによる臨床的な効果も見出されています。
今回実施する研究は,PTSDや複雑性PTSDの症状がある方を対象にして、肯定的な感情を使った瞑想のトレーニングによって、現在の苦しさを軽減させる効果があるかどうかを確かめるために行われるものです。症状があるかどうかは,お電話で確認させていただき,ご参加いただける可能性がある場合に,オンラインで面接を実施して,ご参加可能かどうかを判断させていただいております。是非ご検討の上で,応募いただければ幸いです。
 
ワークショップの基本的な流れ
電話インタビュー・・・・・応募された方を対象に,参加資格があるかどうか,電話でインタビューします(10分程度)。
    ↓      
事前アセスメント・・・オンラインで,ワークショップの目的や内容の説明して,ご同意をいただきます。現在の状態をお伺いして,質問紙調査を行います(最大90分程度)。           
    ↓     
ワークショップ・・・オンラインで,慈悲とマインドフルネスの瞑想の実践をグループで行います(全12回)
    ↓
ホームワーク・・・日常生活でワークショップで学んだ慈悲の瞑想について実践します(毎回)
    ↓
事後アセスメント・・・オンラインで,事前アセスメントと同様に現在の状態を伺い,質問紙調査を行います。また,第3者によるインタビューを行います。
    ↓
フォローアップ調査・・・オンラインで3ヶ月後,半年後,1年後に再調査を行います。
対象
・18歳以上75歳以下の成人の方。
・自分や他の誰かが危うく死ぬ、または重傷を負うといった過去のトラウマ(心的外傷)があり,その再体験や過覚醒が続き,思い出すような状況を避けるといったPTSDや複雑性PTSDの症状があって苦しい思いをされている方。 ※PTSDまたは複雑性PTSDの症状がある方を対象とした臨床試験になります。 ※心的外傷後ストレス障害(PTSD)は、暴力,性被害,虐待など実際にまたは危うく死ぬ、深刻な怪我を負うトラウマの結果起こります。出来事を直接体験するだけでなく,目撃したり話を聞くことでも生じます。 ※複雑性PTSDは,虐待など繰り返し心身を傷つけられる状況から逃れられないトラウマの結果起こります。症状として,感情制御や対人関係の困難があることが特徴になります。
日本語を母国語とする方
ご自宅などプライバシーの確保できる環境でPCを使ってweb会議(Zoomを使用)が可能な方
・通院治療中やカウンセリング中の方は,ご参加にあたって主治医や担当カウンセラーの了承が必要になります。
ご参加いただけるかどうかは事前のご質問(オンラインで行います)により明らかになります。
ご応募いただいても, 研究の参加基準と合わない場合, ご参加いただけない事もあることはどうかご理解ください。
参加者様の安全確保のため, ご状態によってはご参加いただけないことがあります。
日時
期間:2024年4月以降(合計12回)
1回60分
時間帯:ご希望に合わせて調整します。ただし,グループでの実施となるため,必ずしもご希望に添えるとは限りません。
実施例:平日13:30〜,平日18:00〜,土曜日9:00〜,11:00〜
参加費
無料(文部科学省 科学研究費により,12回参加者に¥5,000お支払いします)
実施方法
オンライン(web会議アプリのZoomを使用します)
参加申し込み方法
ご参加にあたっては,下記の電話番号か,メールアドレスに,ご連絡先(メール・お電話番号)をお知らせ下さい。
できるだけ早い時期に結果をご返信いたします。
ご質問についても,同じ連絡先にお気軽にお尋ね下さい。
連絡先:
E-mail: caslstudies@gmail.com
TEL 080-1361-9039
不在の際は留守電になりますので,お名前,電話番号を録音して下さい。
スタッフが対応できる日程で、お返事を行っております。必ずご返信いたしますので、お待ちいただければ幸いです。
大学の他部署へのご連絡はくれぐれもご遠慮ください。
 
ご参加に関して
6-8名のグループへの参加となります。
研究目的のため,3カ月ほど待機していただくグループに割り振られる可能性があります。
関西学院大学「人を対象とする医学系研究」倫理委員会の承認を受けています。
事前面接において,希望者の安全の確保,研究の目的に合致していることの確認を行った上で参加が決定されます。
参加は自由意志で,ワークショップ中に気分が悪くなるなど,そのときの状態でいつでも辞めることができます。
得られた結果については,個人名などは一切公表されませんが,数値化され,学会などで報告されます。
以上のことをご同意の上でのご参加になります(事前面接時に詳しくお話しします)。
講師
有光興記(関西学院大学文学部 教授)
ボランティアスタッフ
ほか
 
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